カギ屋は見た!

黄金の国ジパング

 日本ロックセキュリティ協同組合理事
 (有)札幌キーセンター代表取締役

 赤裏 茂

数年前から中国窃盗団と言われるドロボーが横行している。手口はこうだ。

役割分担されたチームプレーで主にマンションの高層階から狙ってくる。「あたり」がチャイムを押したりしながら不在を確認し、その部屋にマーキング(タバコの吸い殻等を置く)する。次に「カギ開け」が次々とピッキング開錠する。日本の6〜7割のシェアで普及している同一タイプのカギ穴なので、充分訓練をつんだ彼らには数秒で開けられてしまう。「物色」部屋に侵入して、現金・カード・パスポート・保険証等全て持ち出す。更に時間的余裕のある時はカギを閉めて帰るので発見が遅れる。

そして見張りがエレベーターや住人の動きを見ていて、危険を知らせる。外には車が待機していて、仕事が終り次第逃走する。ヒット・アンド・アウェイだ。

最近は日本の暴力団が情報提供や手引き、逃走の手助けをして分け前をもらっているらしい。又、強盗に早変りするのも危険である。女性の部屋に侵入した彼等はめぼしいものがないと部屋の中で住人が帰るのを待っている。帰ってきたら縛りあげ、カード(日本人のほとんどが持っている)をとりあげ、翌朝一番で1人が換金に行く。勿論暗証番号を聞き出してだ。もう1人はそれが正しいかどうか携帯電話で連絡し合っている。うまく現金化できればそれで解放されるが、そうでない時が恐い。最悪殺される。そして考えてみて欲しい。一晩中複数の男が彼女に何もしないことがあるだろうか?

こんな事件はほとんど届けられない。しかし確実に存在する事件である。

年収5万程度の彼らが300万位の密航費用を払ってでも日本へ来るのは稼げるからである。「ウチはとられるものがないから」「年金暮らしだから」は通じない。年収五万の彼らからみればどこへ侵入しても「宝の山」なのだ。まさに『黄金の国ジパング』なのです。

平成13年の刑法犯検挙率が19%です。自分の命と自分の財産は自分で守るしかありません。